「なにわ七幸めぐり」とは?
大阪には古くから信仰を集める神社仏閣が数多くあり、その中でも「七つの幸」を授かることのできる七社寺を巡るのが「なにわ七幸めぐり」です。
七福神めぐりとは異なり、それぞれのお寺や神社に「幸」の願いが込められているのが特徴です。
- 太融寺(大阪市北区)
幸福成就 … 弘法大師ゆかりの寺。街中にありながら静かに祈れる場所。 - 大念佛寺(大阪市平野区)
諸芸上達 … 融通念佛宗総本山。良忍上人の教えを今に伝える。 - 四天王寺(大阪市天王寺区)
良縁成就 … 聖徳太子が建立した日本仏法最初の官寺。 - 住吉大社(大阪市住吉区)
厄除開運 … 全国にある住吉神社の総本社。航海安全でも有名。 - 今宮戎神社(大阪市浪速区)
商売繁盛 … 「えべっさん」の愛称で親しまれる福の神。 - 大阪天満宮(大阪市北区)
学業成就 … 学問の神・菅原道真公を祀る。天神祭でも有名。 - 四條畷神社(大阪府四條畷市)
勝運出世 … 南北朝時代の武将・楠木正行公を祀る。受験や勝負事の神様として厚い信仰を集める。
専用の絵馬(1,000円)、小札(各300円)、集印帳(1,000円+各300円)、色紙(1,000円+判子)から選んで巡拝します。
私は「絵馬」を選び、訪れるたびに小札を追加していく楽しみ方をしています。
私は、九星気学の「祐気取り(方位取り)」を生活に取り入れています。
吉方位に出向き、その土地の神社仏閣を参拝し、さらに地元の食事や飲み物をいただくことで、心身ともに運気を養う──そんな実践を続けています。
今回の祐気取りは「なにわ七幸めぐり」を兼ねて、大阪市平野区にある大念佛寺を訪れました。
ここは七幸めぐりのうち「諸芸上達」の幸を授かる場所。
さらに融通念佛宗の総本山としても名高いお寺です。

良忍上人と「融通念佛」の教え
大念佛寺は平安時代末期の大治2年(1127年)、比叡山で修行した良忍上人によって創建されました。
良忍上人(りょうにん しょうにん)は「一人の念佛は万人のため、万人の念佛は一人のため」という理念を掲げ、祈りを共有する「融通念佛」の教えを広めました。
これは功徳を独り占めするのではなく、互いに融通し合うという考え方。孤立ではなく共生を重んじるその精神は、現代社会にも通じる温かさがあります。
また、良忍上人は和歌にも秀で、「念佛百首和讃」を詠んで教えを広めました。
宗教だけでなく文化や芸術に親しみやすい形で人々に伝えようとした姿勢は、まさに「諸芸上達」のお寺にふさわしいものだと感じます。
大念佛寺と年中行事
融通念佛宗の総本山である大念佛寺は、年間を通じて多彩な行事を営んでいます。
- 融通念佛縁日(毎月16日)
多くの人々が声を合わせてお念佛を唱える日。功徳が境内いっぱいに響き渡ります。 - 盂蘭盆会(8月9日〜16日)
日本最大級の盂蘭盆会。数万の提灯が境内を照らし、ご先祖や亡き人を供養します。 - 修正会(正月三が日)
年初めに天下泰平・五穀豊穣を祈る行事。 - 融通念佛大法要(春・秋)
良忍上人を偲び、その遺徳に感謝を捧げる法要です。
どの行事も「功徳を分かち合う」という大念佛寺ならではの祈りの場であり、多くの参拝者で賑わいます。
本堂大改修と特別御朱印

私が訪れたときは本堂が大改修中でした。
完成は今年中とのことで、足場に覆われた姿は少し寂しくもありましたが、歴史を未来に受け継ぐ大切な工事だと感じました。
参拝では、通常の御朱印とともに、大改修記念の限定御朱印もいただくことができました。
金色の紙に「大改修」と押印され、本堂の姿が描かれた御朱印は、今だけの特別な一枚。
御朱印帳を開くと、通常と限定が並び、その日の特別感が鮮やかによみがえります。
七幸めぐりの絵馬に札を追加

「なにわ七幸めぐり」では、絵馬・集印帳・色紙のいずれかを選んで各寺社を巡ります。
私は絵馬を選び、訪れるたびに小札を掛けていく形にしました。
大念佛寺で二枚目の札を加えると、少しずつ絵馬が形になっていく実感が湧きます。まだ余白は多いものの、これから旅を重ねて完成へと近づく楽しみがあります。
七幸めぐりは御朱印集め以上に、祈りを積み重ねて「幸」を育てていく体験だと改めて感じました。
方位取りの食事 〜笑福弁当〜

祐気取りでは、その土地の食事をいただくことも大切にしています。
普段はインドカレーを選ぶことが多いのですが、大念佛寺の近くには見当たらず…。
そこで出会ったのが「笑福」というお店でした。
店名に「福」が入っているのも縁起が良く、事前に調べていたので迷わず入店。
調べていた時は、定食屋さんでしたが4月からはお弁当屋さんとして営業されており、店内でも食べられます。私は600円のお弁当を選び、さらに80円で味噌汁をつけました。
ハンバーグや魚フライ、ポテトサラダ──手作りの温かさが伝わる味わいで、素朴ながらも心に染み渡る美味しさ。
お弁当は常時5種類ほど並び、全て600円どれも魅力的でした。
「笑福」の名の通り、食後には自然と笑顔がこぼれました。
これもまた祐気取りならではの幸せな体験です。
改修後に再訪を誓って

今回の参拝では、改修中の本堂という特別な姿を目にし、通常と限定の御朱印を並べていただける貴重な体験ができました。
「諸芸上達」の幸を授かる大念佛寺。
趣味や日常の中で少しずつ腕を磨き、成長していけるように──そんな祈りを込めて参拝を終えました。
改修が終わった暁には、再び足を運び、今の御朱印と並べて見比べたいと思います。
そして七幸めぐりの札もまたひとつ増え、絵馬が完成に近づく日を楽しみにしています。
まとめ
祐気取りを通じて巡る「なにわ七幸めぐり」。今回は大念佛寺で、
- 良忍上人の人物像に触れ
- 融通念佛宗の歴史を学び
- 年中行事の祈りを知り
- 改修中の本堂を参拝し
- 通常と限定御朱印をいただき
- 笑福弁当で地元の味を楽しむ
そんな充実した一日となりました。
少しずつ札が増え、幸が積み重なっていく七幸めぐり。
次はどの寺社で、どんなご縁と出会えるのか──旅は続きます。
➡️ 「祐気取り×なにわ七幸めぐり」第3歩へ続く・・・