なにわ七幸めぐり 第3歩 〜住吉大社・今宮戎神社・四天王寺・大阪天満宮を巡る秋の祐気取り〜

九星気学で吉方位を選び、良い“氣”を取り入れる祐気取りの旅。
今回の方角に導かれるようにして、私は大阪の南から北へ、
なにわ七幸めぐり」の4つの社寺を巡りました。

朱色の太鼓橋が美しい住吉大社、
笑顔の神様・えべっさんの今宮戎神社、
聖徳太子ゆかりの四天王寺、
そして学問と笑いが共存する大阪天満宮――。

路面電車や地下鉄を乗り継ぎながら、
秋の空気に包まれた大阪の祈りの道を歩いた一日。
それぞれの場所で感じた“氣の流れ”と人の温もりを、
今日もこうして言葉に残していきたいと思います。

 

路面電車に揺路面電車られて住吉大社へ〜

電車に揺られて、ゆったり祐気取りの旅へ

今回の祐気取りの目的地は、**なにわ七幸めぐりの一社「住吉大社」です。
この日は天王寺駅から出ている
阪堺電車(チンチン電車)**に乗って向かいました。

黄色と青のツートンカラーがかわいらしい電車に乗り込むと、どこか懐かしい昭和の香り。
車内はレトロで落ち着いた雰囲気で、ガタンゴトンという音とともに、少しずつ街の喧騒が遠ざかっていきます。
ふと窓の外に目を向けると、地元の人が買い物袋を提げて歩く姿、商店街の看板、道端の花――大阪の日常の風景が流れていきました。

約20分ほどの小さな旅。降り立った先は、歴史と神話が息づく街、住吉鳥居前です。
このルートは、まさに大阪らしい風情を感じられる祐気取りにぴったりの道中でした。

 

太鼓橋を渡ると、神聖な空気に包まれる

住吉大社の入口に立つと、まず目に飛び込んでくるのが、朱色の「反橋(そりばし/太鼓橋)」
写真でも印象的な美しい曲線を描き、池に映る姿はまるで絵のようです。
ゆっくりと一歩ずつ橋を渡ると、背筋が自然と伸びていくような不思議な感覚に包まれました。

境内は思っていた以上に広く、樹齢を重ねた松が風に揺れていました。
この地に古くから人々が祈りを捧げてきた時間の流れが、今も変わらずここに息づいているのだと感じます。

手水舎で心を清めて、穏やかな気持ちで参拝

手水舎には、龍の口から清らかな水が流れていました。竹の筧から落ちる水音が心地よく、
手を清めながら、これからの「なにわ七幸めぐり」の安全と充実を心の中で静かに祈りました。

この日は曇り空ではありましたが、どこか柔らかな光に包まれ、気持ちがとても落ち着いていました。
「天候もまた祐気の一部なのかもしれない」――そんなふうに思えたひとときです。

 

住吉大社のご利益と見どころ

住吉大社は、全国約2300社ある住吉神社の総本社で、**「厄除開運」「航海安全」「家内安全」**のご利益で知られています。
また、芸能や和歌の神様としても信仰されており、かの有名な和歌「わが庵は都のたつみしかぞ住む 世をうぢ山と人はいふなり」(紀貫之)にも登場します。

境内には「第一本宮」から「第四本宮」まで四つの社殿が並び、それぞれの神様に順番にお参りするのが正式な参拝方法です。
特に第一本宮の朱塗りの門は、晴れの日には空に映え、まるで古代の神話の世界に足を踏み入れたような感覚になります。

力を授かるパワースポット「五大力石守り」

境内を進むと、柵の中にたくさんの小さな袋が結ばれた場所があります。
ここが、住吉大社でも特に人気のあるパワースポット、**「五大力石守り(ごだいりきいしおまもり)」**です。

このお守りは少し特別で、参拝者自らが小石の中から「五」「大」「力」と書かれた三つの石を探し出します。
その三石を大切に袋に入れて持ち帰り、願いを込めて日々過ごします。
そして願いが叶ったとき、感謝の気持ちを込めて今度は自分で書いた「伍・大・力」の石を添えてお返しするという、祈りと感謝を循環させるお守りなのです。

この五大力には「体力・智力・福力・財力・寿力」の五つの力が宿るといわれ、
それぞれが人生を支える大切な力として古くから信仰されています。

無数の袋が結ばれた光景は、まるで人々の祈りが形になったようで、
その場に立つだけで穏やかで温かな“氣”を感じました。
静かな境内の中でも、ここは特に祈りのエネルギーが満ちている印象を受けました。

 

住吉から今宮戎へ ― インド風オムライスで一息

住吉大社をゆっくり参拝したあと、近くでランチを探していると、徒歩5分ほどの場所に「ARYAN(アリアン)」というインドカレー屋さんを見つけました。
いつもの祐気取りでは“行った先のインドカレー店に立ち寄る”のが自分の定番。
今回もその流れで、自然と引き寄せられるように暖簾をくぐりました。

メニューを開くと、どれも気になるものばかり。
ナンにするか、ビリヤニにするか迷いましたが、今回は少し変わり種のインド風オムライスを注文。
日本のお米を使い、優しいスパイスで炒められたチャーハンに、ふんわり卵がのった一皿でした。

スパイスがほんのり香りながらも辛すぎず、身体にじんわり染み渡る味わい。とても美味しくて、旅の途中の疲れも癒されました。

お店の方がとても親切で、インドの言葉や風習、料理の由来についても色々と教えてくださいました。
「祐気取りで訪れる先々の土地には、なぜかこうした良いご縁があるなぁ」と感じつつ、心が温まるひとときを過ごしました。

 

路面電車に揺られて、今宮戎神社へ



パンダ電車で小さな旅気分 ― 子どもの頃のわくわくを思い出して

住吉大社を後にし、次に乗ったのは、かわいらしいパンダのイラストが描かれた路面電車。
淡いピンク色の車体に、いろんな表情のパンダたちが並ぶデザインで、思わず笑顔になってしまいました。

「ちょっと写真を撮りたいな」と思いつつ、乗り込むと車内にもどこかレトロな温もりがあり、
ゆっくりと街を抜けていく揺れが心地よく、まるで小旅行に出ているような気分に。

子どもの頃に遠足のバスで感じたような、少し胸の高鳴る感覚が蘇りました。
祐気取りの旅はいつも心が整っていく感じがありますが、この日は“楽しむ心”も一緒に取り戻せた気がします。

今宮戎神社 ― えべっさんの静けさに包まれて

阪堺電車の終点・恵美須町駅で下車し、歩いて5〜6分ほど。
「商売繁盛で笹持ってこい!」でおなじみの、**今宮戎神社(いまみやえびすじんじゃ)**に到着しました。

毎年1月の十日戎(とおかえびす)の時期には、福笹を手にした人々で賑わう今宮戎神社ですが、
この日はその喧騒が嘘のように静まり返っていて、ゆったりとした時間が流れていました。

境内には風が通り抜け、遠くから電車の音がかすかに聞こえるだけ。
まるで“えべっさん”が、普段は静かに見守ってくださっているような穏やかさを感じました。

商売繁盛の神様として知られるえびす様は、笑顔の神様でもあります。
祐気取りの旅の途中で立ち寄るにはぴったりの場所で、「自分の努力を笑顔で応援してくれている」ような温かいエネルギーを感じました。

小さな旅の余韻

路面電車の音、スパイスの香り、静かな神社の境内。
ひとつひとつの体験がつながって、まるで一日が祈りの流れそのもののように感じました。

祐気取りは、ただ方角や日を選んで動くというだけでなく、
その先で出会う“人”や“出来事”、そして“気づき”そのものが祈りになるのだと思います。

 

四天王寺 ― 大阪最古の寺で感じた、祈りと賑わいの共存

今宮戎神社をあとにし、右手に通天閣タワーを見ながらゆるやかな坂道を北上。
天王寺動物園を横目に歩いていくと、やがて視界の先に大きな石の鳥居が見えてきました。
そこが、四天王寺(してんのうじ)――大阪でも最古の寺院として知られる場所です。

この日は偶然にも、「秋の大古本祭り・骨董市」が開催中。
境内には白いテントが並び、古い書物や骨董品を手にした人々の笑顔が溢れていました。
行く先々で聞こえてくる値段交渉の声や、どこか懐かしい紙の匂い。
そんな活気ある空気の中にいても、不思議と心が静まり返る――
それが四天王寺という場所の魅力かもしれません。

 

本堂(六時堂)は改修工事中

 

残念ながら、**重要文化財である六時堂(ろくじどう)**は現在改修工事の真っ最中。
白い幕に覆われた建物を前にすると、まるでお堂自身が修行しているような、そんな厳かな雰囲気を感じました。
「再びその姿を見られる日が楽しみですね」と話す参拝客の声に、私も大きく頷きました。

工事の掲示には「保存修理工事」と記されており、令和の時代にふさわしい形で、
千四百年以上もの歴史を紡いできたこのお寺が、未来へと受け継がれていくのだと思うと胸が熱くなります。


四天王寺の魅力 ― 聖徳太子ゆかりの祈りの地

四天王寺は、推古天皇元年(593年)、聖徳太子によって建立されたと伝えられています。
「和を以て貴しと為す」という太子の教えの通り、ここは仏教の慈悲と人々の暮らしが溶け合う場所。
長い歴史の中で幾度も火災や戦禍をくぐり抜けながらも、
人々の信仰によって支えられてきました。

境内の五重塔は、青空に映えて凛とした姿を見せ、
訪れる人々に「過去・現在・未来」が一つに繋がっていることをそっと教えてくれているようでした。

 

骨董市の中で見つけた“祈りのかけら”

古いお皿や掛け軸、懐かしい写真集。
そんな中に、ふと「南無阿弥陀仏」と書かれた木札を見つけました。
誰かの手を離れたその小さな木札を見て、
“祈りというものは、形を変えてもずっと残っていくものなんだな”と感じました。

祐気取りの旅をしていると、ただの観光では出会えない“心の響き”のような瞬間に出会うことがあります。
この日の四天王寺はまさにそんな日でした。

次の目的地へ

境内をあとにし、再び空を見上げると、雲の切れ間から光が差し込んでいました。
まるで聖徳太子が「よく来たね」と微笑んでくれたような気がして、思わず一礼。

このあと、私の旅は「大阪天満宮」へと続きます。
四天王寺で感じた“静かな賑わい”の余韻を胸に、
再び電車に揺られて次の祈りの地へと向かいました。

 

大阪天満宮 ― 学問の神様と商人の町が共存する場所で

四天王寺をあとにして、次の目的地は大阪天満宮
今度は大阪メトロで、乗り換えなしの快適な移動です。
地下鉄の車内では、今日の祐気取りの一日を思い返しながら、
「この旅の締めくくりにふさわしい場所だな」と感じていました。

 

まずは手水舎で手と心を清めてから、本殿へ。
竹の筧(かけい)から流れる水が、旅の疲れを静かに癒してくれます。
「新しい知識を吸収できる柔らかい心でありたい」
そんな気持ちを込めて、静かに手を合わせました。

大阪天満宮は学問だけでなく、芸能や文化の神様としても信仰が厚く、
書道や茶道、音楽、舞などの上達を祈る人々も訪れます。
私にとっては、祐気取りと「なにわ七幸めぐり」を通して、
“自分を磨く時間”を与えてくれる場所のように感じました。

 

「天神さん」の愛称で親しまれる学問の神様

大阪天満宮は、学問の神様・菅原道真公をお祀りする神社として知られています。
「天神さん」の愛称で親しまれ、受験や資格試験を控えた人々が多く訪れる場所です。
境内に一歩足を踏み入れると、街の賑わいから切り離されたように空気が澄み、
大きな鳥居と立派な注連縄(しめなわ)が迎えてくれました。

この日は偶然にも「古本まつり」が開催されていて、
参道には古書店のテントが並び、ページをめくる音が心地よく響いていました。
本好きの私にとって、この光景はまるで時間が巻き戻ったように懐かしく、
秋の空気の中で紙の香りに包まれていると、不思議と胸が温かくなりました。
この日の大阪天満宮は、まるで“知の秋”を祝う特別な空間のように感じました。


「天神の水」 ― 学問の神様が見守る清らかな御神水

大阪天満宮の境内を歩いていると、ひときわ静かな一角に**「天神の水」**と呼ばれる御神水があります。
屋根に守られたその中には、ガラスのような緑青色の石が美しく積み重ねられ、
中央から清らかな水が絶え間なく湧き出しています。

掲げられた木札には「御神水天神の水」「毎月1日・10日・25日 午前9時~午後3時 参拝可」とあり、
この水は神聖な行事の際に開帳される特別なもの。
参拝者は静かに柄杓(ひしゃく)を手に取り、手を清めながら一礼し、
学びの道を歩む心を新たにします。

澄みきった水面を見つめていると、
まるで道真公が「焦らず、誠実に進みなさい」と微笑みかけてくれているような気がしました。
この御神水の前では、言葉にしなくても自然と気持ちが整っていく──そんな不思議な静けさがあります。

「天神の水」を後にすると、心の中まで清められたような清々しさを感じました。
祐気取りで大切にしている“良い氣を取り入れる”という意味でも、
この御神水の前で過ごす数分間は、まさに祈りと浄化の時間そのものでした。

澄んだ水面を見つめていると、まるで「焦らず、誠実に学びなさい」と
天神様が静かに語りかけてくれているようでした。

 

天満天神繁昌亭 ― “笑い”もまた幸運を呼ぶ

大阪天満宮のすぐ横には、**天満天神繁昌亭(はんじょうてい)**があります。
ここは上方落語の定席で、昼間から気軽に落語が楽しめる場所です。

「笑う門には福来る」といいますが、まさにその言葉がぴったり。
学問と笑い──どちらも人の心を明るくし、幸せへと導いてくれる“智慧のかたち”だと感じました。

この神社の周辺は、知識とユーモアが共存する大阪らしい文化の香りに包まれていて、
祈りと笑いが自然に共存しているようでした。

 

天神橋筋商店街 ― 祈りの後のお楽しみ

参拝を終えると、すぐ隣には日本一長いと言われる天神橋筋商店街が広がっています。
祈りの後にこの商店街を歩くのは、まるでご褒美タイム。
お惣菜屋さんやカフェ、文房具店、古本屋などが並び、歩くだけで楽しくなります。

昔ながらの大阪の言葉が飛び交い、
「おおきに」「また来てや〜」という声に自然と笑顔がこぼれました。

祐気取りでは“地元の空気に触れること”が大切ですが、
この商店街こそまさに“大阪の氣”を感じられる場所。
お参りとセットで訪れたいおすすめのスポットです。

学びと笑い、そして祈りの秋

大阪天満宮で偶然に出会った古本市と、すぐ隣の繁昌亭の笑い声。
この2つの出来事が、まるで“知恵と福”のバランスを象徴しているように感じました。
静けさと賑わい、学びと笑いが同居する――
そんな大阪らしい秋の一日を、心から楽しむことができました。

 

一日の祐気取りを終えて

この日の祐気取りでは、

  • 厄除の住吉大社

  • 福の神の今宮戎神社

  • 太子の祈りが息づく四天王寺

  • 学びと知恵の大阪天満宮へと巡り、
    まるで“祈りのリレー”のような一日となりました。

路面電車の音、インドカレーの香り、商店街の笑い声――
どれもが大阪の「氣」として、しっかりと心に刻まれました。
そして何より、巡るたびに少しずつ自分の中のエネルギーが澄んでいくのを感じます。

祈りの証 ― 四社でいただいた御朱印

旅を終えて、静かに御朱印帳を開く。
そこには、この秋に巡った四社――
住吉大社・今宮戎神社・四天王寺・大阪天満宮の御朱印が並びます。

それぞれの墨の流れや朱印の形が微妙に異なり、
まるでその場所の“氣”が宿っているかのよう。

住吉大社の朱印は、凛とした力強さ。
今宮戎神社の印は、えびす様の笑顔を思わせるような柔らかさ。
四天王寺は、太子信仰の重みを感じさせる落ち着いた筆致。
大阪天満宮は、学問の神様らしい品格と華やかさが漂います。

どれも旅のひと時を静かに語りかけてくるようで、
御朱印帳をめくるたびに、あの日の祈りの風景が心に浮かびます。

「今日の自分が、昨日よりも少し優しく、少し前向きでありますように。」
そんな願いを重ねながら、一枚一枚の御朱印に手を合わせました。

 

次の祈りへ ― 最後の幸「勝運出世」の四條畷神社へ

こうして「なにわ七幸めぐり」も、六つの札が絵馬に並びました。
残すは、南北朝の武将・**楠木正行公(まさつらこう)**を祀る「四條畷神社」。
七つ目の幸「勝運出世」を授かる場所です。

ただ、私の旅は九星気学の**祐気取り(方位取り)**を大切にしているため、
次にその方角が吉方となる日を待っています。
氣が満ちた良き日に、心を整えて参拝できるよう、今から楽しみにしています。

この旅を通して、訪れるたびに感じたのは「氣」と「ご縁」の不思議な巡り。
一社一社が、まるでその時の自分に必要な言葉を授けてくれるようでした。
七つの幸がすべて揃うその日を思い描きながら、
私は今日も静かに次の吉日を待っています。

 

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