
日本の神社やお寺を巡るときに目にする「御朱印(ごしゅいん)」。
その美しい筆文字と朱印は、単なるスタンプではなく、参拝の証と祈りの記録です。
この記事では、御朱印の基本から歴史、種類、集め方までを、初心者にも分かりやすく紹介します。
御朱印とは?
御朱印(ごしゅいん)とは、神社やお寺を参拝した証として授与される印章のことです。
墨書で神社や寺院の名前、ご祭神やご本尊、参拝日などが記され、朱印が押されています。
もともとは、お寺で写経を奉納した際にいただく「納経印」から始まりました。
現在では、信仰の証だけでなく、旅の思い出や文化体験として集める人も増えています。
御朱印の歴史
御朱印の歴史は古く、奈良時代にまで遡るといわれます。
当初は、お経を納めた人に対して寺院が発行する「証明書」のような役割を持っていました。
江戸時代になると、庶民の間で巡礼やお伊勢参りが盛んになり、御朱印は「参拝の記録」として広く定着しました。
| 時代 | 御朱印の役割 |
|---|---|
| 奈良時代 | 写経を納めた証 |
| 江戸時代 | 参拝・巡礼の証 |
| 現代 | 信仰・文化・旅の記録 |
御朱印の種類
御朱印には、寺社や時期によっていくつかの種類があります。
一般御朱印
最も基本的な御朱印で、寺社の名称と朱印、日付が書かれたものです。
初穂料(または納経料)は300〜500円が一般的です。

特別御朱印
特定の行事や記念日にのみ授与される御朱印です。
季節限定や干支の御朱印などがあり、デザインも華やかで人気です。

書き置き御朱印
混雑時や時間外に対応するため、あらかじめ書かれた紙の御朱印を渡す形式です。
自宅で御朱印帳に貼る際は、和紙にはスティックのり、通常紙にはテープのりがきれいに仕上がります。

御朱印帳の使い方と選び方
御朱印帳(ごしゅいんちょう)は、御朱印を集めるための専用帳面です。
サイズは一般的に11×16cm(神社用)と12×18cm(お寺用)の2種類があります。
デザインは桜・鳳凰・龍など多彩で、選ぶ楽しみも御朱印巡りの醍醐味です。
神社とお寺は分けたほうがいい?
正式な決まりはありませんが、神社とお寺は分けて管理するのがおすすめです。
一部の寺社では混在した御朱印帳への記帳を断る場合があります。


| 種類 | おすすめの管理方法 |
|---|---|
| 神社 | 朱色や明るいデザインの御朱印帳 |
| お寺 | 黒や紺など落ち着いた色味の御朱印帳 |
御朱印をいただくときのマナー
御朱印はスタンプラリーではなく、あくまで「信仰の証」です。
- 参拝を済ませてから御朱印をお願いする
- 静かな態度で対応する
- 初穂料を丁寧に納める
- 御朱印帳は両手で渡す
御朱印をいただく時間も、神様や仏様に感謝する大切なひとときです。
御朱印の魅力
御朱印を集める魅力は、その一枚一枚に「祈り」と「時間」が込められていることです。
墨の香り、朱印の温もり、そして日付の数字――どれもその日の思い出と結びつきます。
御朱印帳を開くたび、自分が歩んできた“祈りの旅”を振り返ることができるのです。
御朱印帳の正しい保管方法
御朱印帳は、神様や仏様とのご縁の証が詰まった大切な帳面です。
大切に扱うことで、いただいた御朱印がより特別なものになります。
ここでは、御朱印帳の保管方法と注意点を紹介します。
保管場所は「静かで清潔な場所」がおすすめ
御朱印帳は、単なる記録帳ではなく、神聖な存在として扱うのが基本です。
直射日光や湿気を避け、清潔な布や箱に包んで保管しましょう。
押し入れの奥や床下など、湿気がこもりやすい場所は避けた方が無難です。
| おすすめの保管場所 | 避けた方がよい場所 |
|---|---|
| 本棚の上段 | 床近くや押し入れの奥 |
| 神棚や机の引き出し | 窓際や直射日光の当たる場所 |
| 桐箱や布袋に入れる | ビニール袋(湿気がこもる) |
御朱印帳を持ち歩くときの注意点
参拝や旅行に持っていくときは、専用カバーを使うと安心です。
雨の日や湿度の高い日は、御朱印帳が湿気を吸いやすく、墨がにじむ原因になります。
紙袋やポーチにそのまま入れず、ビニール製の御朱印帳カバーなどで保護すると長持ちします。
複数冊ある場合の整理方法
御朱印巡りを続けると、御朱印帳が何冊も増えていきます。
地域別・神社仏閣別・年別など、自分なりのテーマで分類しておくと後から見返しやすくなります。
使い終えた御朱印帳は、神社やお寺でお焚き上げをお願いするのが一般的です。
ただし、記録として残しておきたい場合は、丁寧に保管し、他の物と一緒に扱わないようにしましょう。
御朱印帳のエネルギーを保つコツ
御朱印帳は、多くの神仏の「氣」が宿るともいわれます。
月に一度ほど、清潔な布で表紙を拭く、感謝の気持ちでページをめくるなど、優しく向き合うことが大切です。
そうすることで、御朱印帳自体がより良い“氣”を保ち、次の参拝への導きになると言われています。
自分だけの「御朱印ノート」を作るのもおすすめ
御朱印帳とは別に、旅の記録や参拝の感想を書き留めるノートを持つのもおすすめです。
「どんな神社だったか」「どんな気づきがあったか」を書くことで、御朱印がより深い意味を持つようになります。
御朱印帳は“祈りの記録”、御朱印ノートは“心の記録”として使い分けると、より豊かな御朱印巡りになります。
御朱印帳は「自分の心を映す鏡」
御朱印帳の扱い方は、人それぞれの信仰や気持ちを表すものです。
大切なのは、形よりも感謝の心を持って扱うこと。
静かな場所に置き、優しく触れる時間を持つだけでも、心が整っていくのを感じられます。
御朱印帳を大切に扱うことは、神仏や自分自身を大切にすることに繋がっています。


